採用課題解決
2026.09.08
派遣はなぜ高い?パート・アルバイトより時給・雇用コストが高い理由を解説
人手不足を補うために派遣の活用を検討したものの、見積もりを見て「パート・アルバイトの時給と比べるとかなり高い」と感じた経験はないでしょうか。同じ業務を任せるのに、なぜこれほど単価に差が出るのか、疑問に思う担当者の方は少なくありません。
しかし、派遣料金とパート・アルバイトの時給は、そもそも性質の異なる金額です。両者を同じ土俵で比べてしまうと、判断を誤る可能性があります。
この記事では、派遣の料金がどのような仕組みで構成されているのかを整理したうえで、パート・アルバイトより時給が高くなる理由、企業がコストを払ってでも派遣を利用する理由とメリット、そして雇用コストを抑える具体的な方法まで解説します。
派遣人材の雇用コストは高い?仕組み・内訳を紹介
派遣が「高い」と感じられる背景を理解するには、まず料金の仕組みを知る必要があります。
派遣を利用する場合、派遣先企業は派遣社員へ直接給与を支払うわけではありません。派遣会社に対して「派遣料金」を支払い、派遣会社がその中から派遣社員への給与を支払う仕組みです。派遣社員の雇用主はあくまで派遣会社であり、派遣先企業と派遣社員の間に直接の雇用関係はありません。
つまり、企業が支払う「派遣料金」と、派遣社員が受け取る「時給」は同じ金額ではないということです。派遣会社は受け取った派遣料金の中から、派遣社員への給与に加えて、社会保険料や教育・研修費なども負担しています。
派遣会社によって異なりますが、一つの目安として、派遣料金全体の約70%が派遣社員の賃金、残りの約30%がマージンとなるケースが多いとされています。
マージンに含まれる主な費用
残りの約30%は派遣会社の利益がすべてというわけではなく、以下のような費用が含まれています。
- 派遣会社が負担する社会保険料
- 有給休暇取得時の賃金
- 派遣社員の募集・採用費
- 教育・研修費
- 派遣社員の管理・フォローにかかる人件費
- オフィス賃料やシステム費などの運営費
- 派遣会社の利益
こうして並べてみるとわかるとおり、マージンの多くは「雇用主として負担すべき費用」と「採用・管理にかかる実費」で構成されています。
比較するなら「トータルコスト」で
ここで重要なのが、比較の仕方です。派遣料金をパート・アルバイトの「時給」と単純に並べれば、派遣の雇用コストは当然ながら割高に見えます。しかし、これは同じ性質のものを比べていません。
パート・アルバイトを直接雇用する場合も、給与以外にさまざまな費用が発生します。社会保険料の会社負担分、求人媒体への掲載費などの採用費、教育にかかる工数、給与計算や社会保険手続きといった労務管理の人件費などです。これらは時給には表れませんが、確実に発生しているコストです。
したがって、派遣と直接雇用を比較する際は、表面的な時給・派遣料金だけを見るのではなく、採用から雇用管理まで含めたトータルコストで判断することが重要になります。
パート・アルバイトより派遣人材の時給が高い理由とは
料金の仕組みを踏まえたうえで、派遣社員の時給そのものがパート・アルバイトより高く設定される理由を4つ見ていきます。
1. 即戦力となる人材が求められる
派遣社員は、派遣先企業の人手不足や欠員を補う目的で活用されることが多い雇用形態です。この目的の性質上、求められる人材像も自然と決まってきます。
採用後に時間をかけて育成するのではなく、一定の経験やスキルを持ち、短期間で業務を担当できる人材が求められやすいのが派遣の特徴です。事務職であっても、ExcelなどのPCスキルや特定業務の経験を応募条件としている求人が数多く見られます。
こうした即戦力として働ける経験・能力への対価として、パート・アルバイトより高い時給が設定されるケースがあります。派遣先企業にとっても、教育期間を短縮してすぐに人材を配置できるというメリットがあるため、この価格差には合理的な理由があるといえます。
2. 賞与・退職金などを含めた待遇が時給に反映される場合がある
派遣社員は、正社員のように毎月の給与とは別に賞与や退職金を受け取るとは限りません。しかし、だからといって待遇が低くて良いということにはなりません。
派遣社員にも「同一労働同一賃金」の考え方に基づいた待遇確保が求められており、その決定方式には「派遣先均等・均衡方式」と「労使協定方式」の2つがあります。
このうち労使協定方式では、一定の要件を満たす賃金水準を確保する必要があり、基本給・賞与・退職金などを踏まえて待遇が設計されます。退職金についても、退職金制度を設ける方法だけでなく、前払い退職金として賃金に上乗せする方法などが認められています。
つまり、賞与や退職金に相当する金額があらかじめ時給に組み込まれている場合があるということです。その結果、表面的な時給がパート・アルバイトより高く見えるケースが生じます。
3. 専門的なスキルを持つ人材の求人が多い
派遣で扱われる職種は、一般事務だけではありません。ITエンジニア、Web・クリエイティブ、経理・財務、通訳・翻訳など、専門性を必要とする求人が数多く存在します。
これらの専門職では、特定の資格や実務経験、ソフトウェア・ツールの操作スキルなどが求められます。そして、希少性の高いスキルを持つ人材ほど、人材市場における価値も高くなるのが原則です。
求められるスキル・経験の水準に応じて派遣料金が設定され、それに連動して派遣社員の賃金も高くなる傾向があります。特に人材の確保が難しい専門職では、高い時給を提示しなければ経験者を確保できないという市場環境もあります。
4. 人材不足によって派遣社員の需要が高まっている
人手不足が深刻な業界・職種では、企業間で人材獲得競争が起こります。求職者を確保するには、競合する求人よりも魅力的な給与条件を提示する必要が出てきます。
特に「すぐに働ける人材」「経験のある人材」が不足している場合、時給を高く設定して人材を集めるケースが増えます。急な退職や休職、繁忙期などにより短期間で人員を確保したい企業では、多少コストが高くても派遣を利用したいというニーズが強く働くためです。
こうした派遣人材に対する需要の高さそのものが、派遣料金や派遣社員の時給を押し上げる要因となっています。
企業が高いコストを払って派遣社員を採用する理由とは
「コストが高いなら、直接雇用すればいいのでは」と考えるのは自然なことです。それでも多くの企業が派遣を選ぶのには、金額だけでは測れない理由があります。
1. 募集・採用にかかる手間を削減できる
パート・アルバイトや正社員を直接雇用する場合、求人募集から採用まですべて自社で行う必要があります。
具体的には、求人媒体の選定と掲載、応募者への連絡、書類選考、面接日程の調整、面接の実施、採否連絡といった業務が発生します。これらはすべて採用担当者の工数であり、目に見えにくいコストです。
一方、派遣を利用する場合は、人材の募集や登録、派遣先の条件に合う人材の選定などを派遣会社が担います。派遣先企業は必要なスキル・経験などの条件を派遣会社に伝えるだけで、条件に合った人材の派遣を受けられます。
2. 必要な人材を短期間で確保しやすい
直接雇用では、求人を掲載してもすぐに応募者が集まるとは限りません。募集開始から入社までには一定の期間が必要で、人手不足が深刻な職種では採用活動が数か月に及ぶこともあります。
これに対し派遣会社は、すでに登録しているスタッフの中から、派遣先が求める条件に合う人材を探すことができます。条件に合う登録スタッフがいれば、直接雇用よりもスピーディーに人員を確保できる可能性があります。
急な退職・休職による欠員や、突発的な業務量の増加といった、待ったなしの状況に対応しやすい点は派遣の大きな強みです。
3. 教育コストを抑えて即戦力を確保できる
新しく従業員を採用した場合、業務を任せられるようになるまで研修やOJTが必要になります。この期間中は、新人が十分に稼働しないうえ、教育担当者の工数も割かれます。
教育担当者の人件費や研修費用も、企業にとっては人材採用に伴う立派なコストです。表面的な時給には表れませんが、直接雇用を選んだ場合には確実に発生します。
派遣では、特定の業務経験やスキルを持つ人材を条件として依頼できるため、一からスキルを教える必要が少なく、比較的短期間で業務を任せられる可能性があります。
4. 繁忙期など必要な期間だけ人員を増やせる
繁忙期、キャンペーン、新規プロジェクトなど、一時的に業務量が増えるケースは多くの企業で発生します。
こうした一時的な人手不足に対して正社員などを採用してしまうと、繁忙期の終了後に人員が余ってしまう可能性があります。固定費として人件費を抱え続けるリスクです。
派遣であれば、契約期間や業務内容を設定したうえで、必要な期間だけ人材を活用できます。産休・育休や長期休職に入った社員の代替要員を確保したい場合にも適しています。必要なタイミングに合わせて人員を調整できることは、経営上の柔軟性そのものといえます。
5. 給与計算や社会保険などの労務管理を派遣会社に任せられる
繰り返しになりますが、派遣社員の雇用主は派遣先企業ではなく派遣会社です。この点が、事務負担の面で大きな違いを生みます。
派遣社員の給与計算・給与支払い、社会保険・雇用保険の手続きなどは、基本的に派遣会社が行います。年次有給休暇の付与・管理といった、雇用主として必要な労務管理も同様です。
その結果、派遣先企業は直接雇用する従業員と比べて、人事・労務担当者の事務負担を軽減できます。従業員数が増えるほどバックオフィス業務も比例して増えていくのが通常ですが、派遣を活用すればその増加を抑えながら人員を確保できます。
コストが高い派遣社員を雇用するメリット
前章の内容を踏まえ、企業側が得られるメリットを改めて3つに整理します。
メリット1. 人手不足へスピーディーに対応できる
派遣会社にはすでに多数のスタッフが登録しており、企業の希望条件に合う人材を探してもらえます。母集団形成の工程を丸ごと外部に委ねられる形です。
自社で求人を掲載し、応募者を集めて選考する直接雇用と比べると、採用活動にかかる期間を大きく短縮しやすくなります。
急な退職・休職による欠員が発生した場合の補充手段としても有効ですし、繁忙期や新規プロジェクトなど、一時的に業務量が増加するタイミングでも活用できます。
メリット2. 専門性の高い人材を確保できる
派遣では、特定の経験・資格・スキルを条件として人材を依頼できます。ITエンジニア、経理・財務、Web・クリエイティブ、通訳・翻訳など、専門性の高い人材を扱う派遣サービスも存在します。
自社で専門人材を採用しようとすると、求人広告費や人材紹介料がかかるうえ、採用競争が激しく、そもそも人材を確保できないケースもあります。派遣会社が保有する登録スタッフの中から条件に合う人材を探してもらえるため、自社だけで採用活動を行うより選択肢を広げられます。
実務経験を持つ人材であれば、一から専門スキルを教育する必要が少なく、早期に業務を任せられる点もメリットです。「特定のプロジェクト期間だけエンジニアが必要」といった、専門人材を常時雇用する必要がないケースにも適しています。
メリット3. 採用・労務管理の負担を軽減できる
派遣社員の雇用主は派遣会社であるため、募集・採用から雇用後の労務管理まで、派遣会社が担う業務は多岐にわたります。
人材募集や登録、条件に合うスタッフの選定を派遣会社が行うことで、派遣先企業の採用担当者の負担は軽減されます。給与計算・給与支払い、社会保険・雇用保険の手続き、有給休暇の付与・管理といった雇用主としての業務も、基本的に派遣会社の担当です。
さらに、派遣社員への定期的なフォローや就業に関する相談対応なども派遣会社が行います。その結果、自社の人事・労務担当者はコア業務に集中しやすくなり、バックオフィス全体の業務効率化につながります。
特に採用・労務担当者が少ない企業では、人員を増やしても管理業務が急増しにくいという点が、実務上の大きなメリットになります。
EXPERT COMMENT
専門家のコメント – 採用労務の削減とコストダウンの両立
「採用や労務の手間を外部に丸投げしたいから、高いお金を払ってでも派遣を使う」という企業は数多く存在します。
しかし現在では、自社専用スキマバイトアプリ『マイチーム(myteam)』を活用することで、この常識が覆りつつあります。
マイチームを導入すれば、募集の自動化、労務契約書の自動生成、給与の即時支払い(立替)まで全てシステムが自動で行うため、採用・労務の手間は派遣と同じく「ゼロ」になります。しかも派遣マージン(約30%)に対し、マイチームの手数料は15%で済むため、手間を省きながら大幅なコストダウンを実現できるのです。
派遣料金が高くても派遣社員の活用がおすすめな企業
ここまでの内容を踏まえると、派遣料金の高さを上回るメリットを得られる企業には、一定の共通点があります。
- 急な欠員・人手不足に対応したい企業
- 繁忙期だけ人員を増やしたい企業
- 専門スキルを持つ人材をすぐに確保したい企業
- 採用業務や労務管理の負担を減らしたい企業
これらに当てはまる場合、派遣料金は「割高な人件費」ではなく、採用工数・教育コスト・労務管理コストをまとめて外部化するための費用と捉えることができます。逆に、時間をかけて人材を育成でき、採用にも余力がある企業であれば、直接雇用の方が総合的なコストを抑えられる可能性があります。
派遣社員の雇用コストを抑える方法
派遣を活用しつつ、コストを適正化するための方法を3つ紹介します。
1. 手数料の安いサービスを併用する
前述のとおり、派遣を利用する場合は派遣社員の賃金だけでなく、社会保険料、採用・管理費、派遣会社の利益などを含めた派遣料金が発生します。
まず押さえておきたいのは、料金体系やマージン率は派遣会社・サービスによって異なるということです。1社の見積もりだけで判断せず、複数社を比較することが基本になります。
その際は単純な派遣料金の安さだけでなく、紹介される人材の質・マッチング精度・フォロー体制まで含めた費用対効果で比較しましょう。
さらに踏み込むなら、業務内容によっては派遣以外の手段との併用も検討する価値があります。求人媒体、求人検索エンジン、スポットワーク、人材紹介など、比較的手数料を抑えやすい採用手段は複数存在します。
たとえば、専門スキルが必要なポジションは派遣で確保しつつ、定型業務や短時間の人手不足はスポットワークで補うといった使い分けです。採用チャネルを派遣だけに限定せず、複数の手段を組み合わせることで、採用・人員確保全体のコストを最適化しやすくなります。
EXPERT COMMENT
専門家のコメント – マイチームを活用したコスト削減
派遣のコストを劇的に下げるコツは「業務の切り出し」です。
プログラミングや経理といった高度な専門業務は派遣にお願いし、誰でもすぐにできる「品出し」「清掃」「洗い場」などの単純作業は、自社アプリ『マイチーム(myteam)』を使って自社のOB/OGやリピーターのスポットワーカーに任せる。
高い派遣マージンを払う対象を「本当にスキルが必要な業務」だけに絞り込むことで、人件費のトータルコストは一気に下がります。
2. 派遣期間や必要人数を適切に設定する
派遣社員は利用時間・期間が長くなるほど、企業が支払う派遣料金の総額も大きくなります。当たり前のようでいて、実務では見落とされがちなポイントです。
「とりあえず人手が足りないから派遣を増やす」という判断を繰り返すのではなく、どの期間に何人必要なのかを事前に整理しましょう。
過去の業務量データをもとに、繁忙期や特定プロジェクトの時期を把握したうえで、必要な期間だけ派遣を活用する設計が理想です。
また、一時的な人手不足には派遣、長期的・恒常的に必要なポジションには直接雇用というように、雇用形態を使い分けることも有効です。恒常的に必要な業務を派遣で埋め続けると、長期的には割高になる可能性があります。
3. 必要な業務・スキルを明確にする
派遣料金は、職種や業務内容、必要な経験・スキルなどによって変動します。高度な専門スキルや豊富な実務経験を求めるほど人材の希少性が高まり、派遣料金も高くなる傾向があります。
そのため、派遣を依頼する前に「担当してもらう業務」と「その業務に必要なスキル」を具体的に整理することが重要です。漠然と「経験者が欲しい」と依頼すると、実際の業務には不要な高いスキルを持つ人材が配置され、その分の料金を支払うことになりかねません。
有効なのが、業務の細分化です。高度なスキルが必要な業務と定型業務を切り分け、前者だけを派遣に任せるという整理ができれば、全体の料金を抑えられる可能性があります。そして、切り分けた定型業務については、より手数料を抑えやすい採用手段で対応するという選択肢が見えてきます。
コストを抑えて人材採用を実現するならタイミーに「myteam(マイチーム)」を併用するのがおすすめ
タイミーのようなスキマバイトアプリの利便性を享受しつつ、デメリットである「高い手数料」と「人材の非定着」を解決するソリューションが、株式会社グレフが提供する「マイチーム(myteam)」です。
myteamとは?
myteamは「スポットワーカーの管理システム」です。
- 循環型採用の実現: 一度きりの接点で終わらせず、OB/OG、退職者、一度働いてくれた優秀なワーカーと繋がり続ける仕組みを作ります。
- 外注コストを約50%削減:タイミーなどの外部サービスを介さず直接マッチングするため、利用手数料を大幅に抑えられます。
主な機能とメリット
スポットワーカーの管理:ポスターやQRコードを通じて、自社専用のアプリに登録を促します。平均登録率は90%と非常に高く、スムーズに人材プールを構築できます。
採用・管理工数の大幅削減:求人掲載から勤務管理、給与計算、即時支払いまでシステムが自動
まとめ
派遣が「高い」と感じられる背景には、派遣料金がパート・アルバイトの時給とは異なる性質の金額であるという事情があります。派遣料金には派遣社員の賃金だけでなく、社会保険料、有給休暇の賃金、募集・採用費、教育費、管理コストなどが含まれており、目安として全体の約30%がマージンとして構成されます。
また、即戦力人材が求められること、賞与・退職金相当分が時給に反映される場合があること、専門職の求人が多いこと、人材需要が高まっていることなどが、派遣社員の時給を押し上げる要因となっています。
一方で、企業が派遣を選ぶ理由も明確です。採用工数の削減、スピーディーな人材確保、教育コストの抑制、必要な期間だけの人員増強、労務管理の外部化といったメリットは、表面的な時給の差だけでは測れない価値を持っています。
コストを抑えたい場合は、複数サービスの比較、派遣期間・必要人数の適切な設定、必要業務とスキルの明確化という3点を実践しましょう。そのうえで、切り出せる定型業務についてはスキマバイトなど手数料を抑えやすい手段と併用することで、採用・人員確保全体のコストを最適化できます。
手数料を抑えてスキマバイトを活用したい場合は、自社専用スキマバイトアプリ「myteam」の導入もあわせて検討してみてはいかがでしょうか。