インタビュー

2026.05.11

「退職したら終わり」を、終わらせたい――myteamが目指す新しい人材との関係性

「退職したら終わり」を、終わらせたい――myteamが目指す新しい人材との関係性

自社専用スキマバイトアプリ「myteam」開発の裏側

「”人が足りない”というのは、実は数の問題じゃないんです」――そう語るのは、株式会社グレフ代表取締役の川上氏。

同社がリリースした自社専用スキマバイトアプリ「myteam」は、一般的なスキマバイトアプリと比較して半額程度の手数料で利用できる、リピーター採用に特化したサービスです。

今回は、myteamを立ち上げた背景や、「採用」という言葉そのものを問い直す同社の考え方について、川上氏に伺いました。

自社専用スキマバイトアプリ「myteam」とは?

――いきなりですが、「人が足りない」は数の問題ではない、というのはどういう意味でしょうか?

川上氏:もちろん労働人口が減っているのは事実なので、数の問題でもあるんです。でも、本当に向き合うべきなのはそこじゃないと思っていて。

これからの企業に求められるのは、単に採用数を増やすことじゃなくて、「人が辞めにくい仕組み」と「戻ってきやすい環境」をどう作るか。一度一緒に働いた人とのつながりを、退職した瞬間にゼロにしてしまうのって、企業にとっても、働く側にとっても、すごくもったいないことだと思うんですよね。

「退職したら終わり」じゃなくて、必要なタイミングでまた戻ってきてもらえる関係性を作る。myteamは、その入り口になるサービスです。

――その思想がプロダクトに直結しているわけですね。あらためて、myteamがどんなサービスなのか教えてください。

川上氏:ひと言で言うと、「自社専用」のスキマバイトアプリです。

通常のスキマバイトサービスを通じて出会ったワーカーさんを、myteamに登録して活用する。つまり、リピーター採用に特化しているのが特徴ですね。手数料は一般的なスキマバイトアプリのおよそ半額なので、コストを抑えながら採用課題を解決できます。

――「リピーター専用」というのは、かなり思い切った絞り込みですよね。

川上氏:そうですね(笑)。ただ、ここを絞ったことには理由があって。

一度勤務経験のあるワーカーさんって、企業にとって本当に貴重な存在なんですよ。業務を一から覚えてもらう必要もないし、すぐに即戦力として動いてもらえる。なのに、通常のスキマバイトアプリだと、毎回ゼロから募集することになる。これって、企業の側にも、働き慣れた職場で働きたいワーカーさんの側にも、メリットがある仕組みじゃないなと。

だったら、一度働いてくれた人を「自社の資産」として蓄積できる仕組みを作ろう、と思ったんです。

――そこに気づいたきっかけはあったんでしょうか?

川上氏:スキマバイトに関連するサービスを作るという方針自体は、もともと決めていたんです。ただ、最初から「これを作るぞ」と決めていたわけじゃなくて、まずは企業さんに話を聞こうと。

50社くらいヒアリングしましたね。

――50社、けっこうな数ですね。

川上氏:はい。とにかく現場の声を集めたかったので。

そこで見えてきたのが、「採用課題を外部サービスに依存し続けることへの違和感」だったんです。スキマバイトを使えば人は集まる。でも、その人材は自社に蓄積されていかない。次にまた人が必要になったら、また外部にお金を払って募集する。

このサイクルを変えたい、という思いがmyteamの出発点になりました。

myteam開発の裏話

――開発を進めるなかで、苦労した部分を聞かせてください。

川上氏:正直に言うと、いちばん苦戦したのは開発チームの採用です。

myteamって、カテゴリとしてはスキマバイトアプリなんですが、形としては従来にない新しいプロダクトなんですよ。だから「なぜこの機能が必要なのか」「このサービスが何の価値を生むのか」を、開発メンバーに正しく伝えるのが本当に難しくて。

エンジニアからすると、似たような既存サービスがあるなかで、何が違うのかが見えにくい。そこを丁寧にすり合わせるのに、かなり時間を使いました。

――それは、クライアント企業への説明でも同じ難しさがあったのでは?

川上氏:おっしゃる通りで、最初は「これ、何が違うんですか?」とよく聞かれました。

新しいサービスって、すぐには理解されないんですよね。ただ、「リピーターに特化することで何が変わるのか」「結果としていくらコストが下がるのか」を一つひとつ丁寧に説明していくと、ちゃんとご納得いただけるんです。

開発段階では、本当に使ってもらえるのか不安でした。でも今、実際にご利用いただけているのは、その地道な説明を続けてきたからだと思っています。

――現在は、どのような業界の企業がmyteamを使っているのでしょうか?

川上氏:物流・製造・イベント業界のクライアント様に多くご利用いただいています。

実は、ターゲット業界はかなり戦略的に絞っていまして。「一拠点で大規模な人材発注が発生する業界」を最初から狙っていました。

――それはなぜですか?

川上氏:人材発注の規模が小さい業界だと、既存のプラットフォームから乗り換えるハードルが高くなるんですよ。

逆に、一度にまとまった人数の人材を必要とするような業界であれば、myteamに切り替えるメリットがコストとしてはっきり現れる。だから、最初に届けるべき相手はここだ、と決めていました。

――ワーカー側から見たmyteamのメリットも教えてください。

川上氏:「自由に働きたい、でも勤務経験がある場所で働きたい」というニーズに、いちばんフィットすると思います。

通常のスキマバイトって、毎回新しい現場で、新しい業務を覚えて、新しい人間関係に適応しなきゃいけない。これって、働く側にもけっこう負荷がかかるんですよね。

myteamなら、勤務経験のある現場に限定して働ける。働き慣れた職場で、自由度の高い働き方ができる。アプリの操作性も他サービスと変わらないので、違和感なく使い始められるはずです。

――最後に、myteamは今後どんなプロダクトに進化していきますか?

川上氏:採用は、入り口にすぎないと思っているんです。

今は採用領域に特化していますが、これから広げていきたいのは、企業のアナログ業務全般のDX化です。シフト管理、書類対応、労務管理、請求書対応――いわゆるバックオフィス業務全般ですね。

将来的には、コンサルティングやBPO領域まで含めて、企業の経営を裏側から支える存在になりたい。お客様にとっての「経営プラットフォーム」になっていく、というのが目指すところです。

――採用の話から始まって、最後は経営全体の話につながるんですね。

川上氏:そうなんです。結局、「人が辞めにくい仕組み」も「戻ってきやすい環境」も、採用だけで作れるものじゃないんですよ。シフトの組み方、業務の管理の仕方、現場のオペレーション――そのすべてが関わってくる。

だから、採用を入り口に、その先まで一緒にやらせてもらえる存在になりたい。それが、myteamを通して実現したいことです。

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